初心者入門セット試奏

先日、2年ぶりぐらいに、大人の生徒さんのための楽器の選定に行ってまいりました。

 

楽器を始めるとなると、まずは気になるのが楽器のお値段ですね。

大抵の方は、「楽器を買ってしまって、その後続けられなかったらどうしよう?」

といった心配をお持ちになると思います。

そんなことから、あまりに高い楽器を買うのは、ちょっとした賭けになってしまうし、

それでも、せっかくお金を出すのに、安すぎて使い物にならない!といった代物を購入したくはないことから、

かなり悩まれると思います。

 

今日は選定の一例を、お店の方から伺った情報とともにお伝えします。

 

まずは、通販ではなく実際にお店に行き、楽器を購入することをお勧めします!

その際に、お店の方に細かく説明をしていただくのがいいですね。

今回、ずばり売れ筋商品を伺ったところ

 

入門用バイオリンセット

カルロ・ジョルダーノ

ニコロ・サンティ

 

の二種類を挙げられました。

どちらも中国製で、弓、ケース、松脂、肩当がついて

お値段は ¥64000(税抜き)です。

 

今回試奏してみたところ、

どちらかと言えば、ニコロ・サンティのほうが鳴らしやすい印象でした。

ただ、個体差というものはどうしてもあるので、これは、この二台を比較したときに、いつも絶対にそうである

ということではないと思います。

 

それでもですね、これはお店の方がおっしゃっていて、わたしも常々感じていたことなのですが、

「弓(二台に共通のもの)」がやはり、良くないんですね。

何と言いますか、自分の腕の重みを掛けるのに、信用できないんです。

そしてバランスもとりにくい。

毛を強めに張っても、弾力性が乏しい。

 

残念ながら、弓の材料が、本来の材料ではないそうです。

 

それではと、プラス1000円した、やはり中国製の

フューメビアンカ (楽器本体、弓、ケース、松脂、肩当付き) 

¥65000(税抜き)

 

は、やはり弓本来の材料ではないそうですが、それでもまだ、弓の質が上記2台よりは上でした。

 

お店の方のお話、また自分が実際に弾いてみた印象から、

入門セットは、値段相応の質のランク付けができる!

と言えます。

 

ところで、それぐらいのお値段で、日本製はないの??

と思い、スズキについてお聞きしたところ、

スズキは日本のメーカーではあるが、中国の工場で作っていること(日本からの技術指導)、

また今現在は、供給不安定であるとのことでした。

 

じゃ、ヤマハは?

 

こちらはお値段が¥82000で、

値段相応にはなるが(6万円台のものより、質が上)、

取り寄せ=購入になってしまい、

弾き比べができないとのことでした。

 

ちなみに、最低限の質を保った弓を、リーズナブルに単体で購入するとなると

最低4万円~になるそうです。

 

今回は、生徒さんのご状況や、希望価格、その他いろんなバランスを考えて

フューメビアンカに決めました。

しばらくこの楽器で弾いて、今後もし楽器をグレードアップしたい!となったら

もっとずっと上のランクのものを考えたら良いと思ったからです。

 

ちなみに、お店の方が勧める入門セットは、

チェコ製のアース・ミュージック です。

こちらは、やはり弓(スティック/ブラジルウッド、フロッグ/エボニー)、ケース、肩当、松脂がついていて、

¥95000(税抜き)です。

 

わたしも、この楽器は2年ほど前に試奏していて、

例えば中学生ぐらいから始める子には、保護者の方の希望価格と合えば、この楽器を勧めています。

反応のいい楽器で、姿勢の良しあしでどれだけ音質が向上するか、とても分かりやすい楽器だからです。

 

 

入門セットとはいえ、生活必需品ではないものに、それなりの金額を掛けるのですから、

楽器の選定は、悩みどころになると思います。

 

ただ、他のクラシック系の楽器と比較したときには、

入門セットで言ったら、ヴァイオリンは、意外にも一番安いくらいのお値段なんです!

フルートでも最低8万円ぐらい~ですし。

 

話が少し横道にそれてしまいましたが、

以上、入門セットの選定例についてお伝えしました。