今日は、子供の生徒さんの普段のレッスンの様子について書こうと思います。
Aくん、5歳。
下に妹と弟がいる、お手伝い好きのお兄ちゃんです。
いつもお父さんに連れられて、レッスンにやってきます。
この土曜日の朝、チャイムが鳴って玄関のドアを開けると、もうAくんが立っていました。
うちは、門からドアまで少し間隔があるのですが、
Aくんが、練習あまりできなかったのかな?というときは、お父さんの後からオズオズとやってきます。
練習頑張ってきたぞ!というときは、お父さんを抜かして真っ先に玄関のところに来ています。
正直だなあ(笑)。
そして、練習カードを見せてもらうと、毎日頑張ったという跡がありました!
練習カードと言うのは、子供用のわたしのオリジナルカードです。
一日練習をしたら一枚シールを貼ってもらい、
レッスンに来た時に、その上にわたしが一文字ずつ言葉を入れて、
手紙の作成をしているものです。
多くても一週間で6枚のシールなので、手紙はすぐには完成しません。
Aくんは、頑張って練習して、手紙の完成を楽しみにしています♪
さて、レッスンに入ります。
今練習しているのは、「子供のためのバイオリン教室 上巻」のなかの「でんしゃ」という曲です。
シンコペーションもあり、リズムが少し複雑な曲です。
前回のレッスンでは、リズムの取り方に少し苦労していたみたいだけど、今日はどうかしら?
Aくん、なんだか少しもじもじしています。
「どしたの?」
「ゆびがちょっとぴりぴりする」
と指を気にしています。
ははぁ。頑張って練習してきて、今お披露目するのに、かえって緊張してるんだなぁ。
「大丈夫だよ!自信もって!」
そこで弾き始めてくれました。
最初の出だしを聞いた時点、いや構えるときから、きちんと練習してきたのがわかります。
「上手になったね!」
それでもまだ緊張が解けない様子。
「じゃ、Aくんの緊張が解けるように」
と、電車を題材にした絵本を本棚から取って、広げて見せました。
「このご本、この曲にぴったりじゃない?ほら、おうちもはたけもとんでゆく~って
調度いい絵があるよ!」
「ほんとだ!じゃあ、電車に乗った気分で弾くってこと?」
「そうだね!」
嬉しそうに目を輝かしてくれました!
気持ちが乗ってきた様子♪
指のピリピリ感も気にならなくなってきたかな?
「さっき、お指がぴりぴりするって言ってたでしょ?あれ、緊張してたからだと思うよ」
「そうだね」
「そしたらさ、先生がピアノ弾くから、一緒に合わせてみない?」
躊躇するAくん。
いきなりハードルを上げると気後れしてしまうので、
まずは伴奏部分を弾いてみることにしました。
「どう?」
「電車が走っている感じはしたけど、よくわからなかった」
「そっか。そしたらさ。左手だけ伴奏にして、右手はAくんと同じメロディを弾いてみるよ。
それで合わせてみない?」
すると、
Aくんは今までで一番上手に弾くことができました\(^^)/
音程も、リズムもばっちり!
この曲は合格だね!
次の曲に入るよ!
リズムの取り方などを説明していたら、もう終わりの時間。
とても楽しかった様子。
「お家に帰ったら、すぐに練習する!」
と言ってくれました。
嬉しいなあ。
付き添いのお父さんもニコニコ顔。
「今日は、頑張ったな!」とお帰りになりました。
お家での練習を一生懸命頑張ってきてくれて、
レッスンもスムーズにいくし、本人もいい気分だし。
お父さんもご満足されるし。
こうやって、成長を見守っていけたら、本当に最高です!!
でも実はAくんも、家での練習を習慣化するのに、
最初からうまくいったわけではありませんでした。
最初のうちはやはりさぼり気味で、レッスンに来てみると、うまく指が回らなかったりして、
「あんまり上手になった気がしない」と
幼児ながらに感じていました。
レッスン中にその点について叱ったことはないのですが、
家での練習を頑張ると、すべての回りが良くなることに本人が気づいて、頑張ってきてくれるようになりました。
これって、ヴァイオリン以外のことにも通じていくと思います。
ヴァイオリンの練習、またレッスンが、ただ技術の向上を目指すだけではなく、
生徒さんの人としての成長に繋がれば、
講師として、本当に幸せに感じます。
今日は、子供の生徒さんのレッスンについてリポートしてみました!